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た。96年からは、屋久町安房前岳で屋久島7000年の森づくり事業に取り組む。
このように、鹿児島県が中心となった同財団は、島の環境文化の創造に中心的な役割を果たしている。財団は、2つの基礎的自治体間の利害を調整し、身ぐるみの取り組みを推進するコーディネーターとしての機能も担っている。

 

3 世界遺産センターと森林環境保全センター
屋久島世界遺産センターは、環境庁が96年に建設、開業した。センターは2階建てで、延べ700?u。1階の展示コーナーには、ボードを動かしながら標高によって様変わりする植物の様子が理解できる展示コーナーや、今こんなものが見られるといったタイムリーな情報が得られる自然情報伝言板、水の音や鳥のさえずりなど島の自然の音を楽しめるサウンドギャラリーなどがある。2階に図書室や研究室があり、屋久島研究者に開放する。
林野庁熊本営林局は95年に屋久島森林環境保全センターを設けた。センターは、大学などと連携して森林の生態調査などに取り組む。特に、著名木の遺伝子源の現地保全に力を入れる。かつて営林署は杉の切り出しが主な仕事だった。環境保全センターの設置は、伐採から保護への転換を意味する。
どちらも、世界遺産への指定後、生まれた施設である。

 

4 ゼロ・エミッションヘの挑戦
屋久島を舞台にして国連大学などの提唱によるゼロ・エミッション計画が進んでいる。このため、鹿児島総合研究所や環境コンサルタント会社などの関係者は、「屋久島ゼロ・エミッション研究会」を組織している。ゼロ・エミッションは、生産や生活に伴うすべての廃棄物を自然界に廃棄しないで再生産、再利用する自己完結型の地域社会を構築することを目標にする。研究会はこれに必要な自然保護や、地域社会、産業のあり方、技術開発などを総合的に研究する。
研究は2つある。1つは、全島を対象にしたものであり、他の1つは「小さな地球村」としてのモデルの作成である。前者の研究計画は?@地域廃棄物リサイクル?A新エネルギーシステム?B地域資源活用システム−の3つに分かれる。
?@の関連では、林業における勇定枝葉をはじめ、産業廃棄物、生活ごみ、し尿、雑排水などを資源として活用する。このため、可燃ごみの固形燃料化、下水汚泥や勇定枝葉のコンポスト化、養殖魚の排出物の肥料化などに取り組む。?Aの関連を見ると、島の電力はすでに水力でまかなっており、自然エネルギーを活用している。これに加え、風力発電やバイオマスによるエネルギー供給や、電気自動車を中心と

 

 

 

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